2013年10月アーカイブ

災害の向こうに希望を見る


「私はあなたに感謝します。あなたが私に答えられ、私の救いとなられたからです。

家を建てる者たちの捨てた石。それが礎の石になった。これは主がなさったことだ。

私たちの目には不思議なことである。」(聖書より)

 

海水の温暖化により気候が変動していると言われています。それにより洪水や局地的な集中豪雨による土砂災害が起き*1、北極などの氷が溶け、海水が増えてモルディブなどの国々には水没の危機が迫っています。*2

 

福島第一原発も、再びさし迫った危険があると注目されています。今年の11月に予定されている第4号機燃料プールから燃料を取り出す作業に3・11以上の大きな危険が伴いうるというのです。*3 

こうした作業が危険な状況で作業員が近づけなくなると、その近辺の核燃料安全措置にも影響が広がっていくおそれがあります。ですから、今まで以上の徹底した安全対策が求められるべきです。

 

こうした危機は今後、増える一方かもしれません。*4

 

多くの災害を調査したレベッカ・ソルニット氏によると、人々は災害の中にあっても力を合わせて立ち向かい、悲劇の中のユートピアを作り出す傾向にあるそうです。比較的パニックは起こらないと著書で述べています。*5

「人に何かを与えたり、人を助けたりすることは、彼らに、彼ら自身より大きい何かの一部であるという感覚を与える。他人を助けると、自分は必要とされている価値のある人間で、この世での時間を有効に使っていると感じさせ・・・生きる目的を与えてくれる。」*6

 

「家を建てる者たちの捨てた石。それが礎の石になった。」この言葉は社会や宗教の偽善からの解放を説き、十字架で処刑され3日目によみがえったイエス・キリストを示すものです。私たちが災害を乗り越え、より命を尊び、平和を求める、それまでとは違う生き方・社会形成ができるという希望なのです。

 

*1 『人が死なない防災』片田敏孝著(集英社新書) 災害の際、行政のアナウンスや情報収集ではなく、まず安全に逃げられるのであれば、人々に呼びかけ、率先して逃げることべきであることを強調しています。

*2 ドキュメンタリー映画『南の島の大統領-沈みゆくモルディブ-』 日本で標準の出力100万ワット規模の原発一機につき、

毎秒70トンの海水が7度温められて排水されます(『騙されたあなたにも責任がある 脱原発の真実』小出裕章著、幻冬舎)。

*3 『福島第一原発-真相と展望』アーニー・ガンダーセン著(集英社新書)

*4 日本では現在、「秘密保護法」により、公務員による情報提供に罰則を強化する方向にあります。何が秘密なのかは明らかにされません。一方、米国情報開示法により入手した資料で、度の過ぎた秘密主義が、核兵器の度重なる爆発危機をもたらしてきたことが、明らかとなりました。http://www.democracynow.org/2013/9/18/how_the_us_narrowly_avoided_a 
日本語版サイトhttp://democracynow.jpにて字幕付き動画、近日掲載予定。

*5 災害ユートピア なぜそのとき特別な共同体が立ち上がるのか』レベッカ・ソルニット著(亜紀書房)

*6 同書P271

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